関節リウマチとは?
リウマチに対する治療の考え|治療方法|リウマチ改善事例|リウマチへの疑問・質問
リウマチに対する治療の考え

リウマチというと、「治らない病気」と考えている人が未だに多い病ですが、私は自身が担当させていただいた患者さまの約半数を投薬治療によって寛解(※)に持ち込むことに成功しています。
「リウマチは治らない」というイメージを大きく変える治療に取り組んでいます。
私は、治療は早い段階から生物学的製剤を使用することで、できるだけ治療期間が短く済むよう考えておりますし、これにより、将来患者様の日常生活が不便にならないように治療することをポリシーとしています。
近い将来、「リウマチは治る病気」という時代が来るものだと私は信じております!
現在、「まずまず状態が良いので満足している」や「最低限の生活ができているので、これ以上の治療は望まない」と思っていらっしゃらないでしょうか?
それでは、リウマチは進行してしまうかもしれません。
患者の皆様にお願いしたいことは、リウマチになったからといって、決してあきらめないでほしいということです。今は良い薬があります。現状に満足せずに、リウマチという病気としっかり向き合っていただき、また、正しい情報を得る努力をしていただきたいと思います。リウマチが既に進行してしまった人、早期の人、なりかけの人、皆様と一緒に治療を進めていければと考えております。
※寛解:病気の症状が軽減またはほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態(大辞林より抜粋)
治療方法について
関節の痛みなど現在の症状を軽減することだけではなく、将来的に関節機能が損なわれるのを防ぐことまで考えて、薬物や手術、リハビリテーションを組み合わせて治療を行います。
治療法その1→ お薬による治療について

薬物治療の基本は、「メトトレキサート」という薬です。これは、リウマチ治療の世界標準といっていい薬剤です。それに加えて、最近では「レミケード」などの生物学的製剤といわれる注射剤が主流になりつつあります。これは、症状を軽減させるだけではなく、関節の破壊を抑える作用を持っています。「レミケード」は投与直後から痛みが取れるなど即効性に優れ、国内外で100万人の患者様に使用されている実績があります。その他、「エンブレル」「ヒュミラ」「アクテムラ」などの中から、安全性に十分配慮し、患者様個々に合わせた薬剤選択を行っています。
治療法その2→ 手術による治療について
すでに関節が壊れて動かなくなってしまっている場合は、人工関節に置き換え、運動機能を取り戻す手術を行うこともあります。
詳しくは人工関節のページをご覧ください。
当院のリウマチ改善事例
当院のリウマチ治療成績の一部をご紹介します。
166例のリウマチ患者さんに対し、MTX*+レミケードを78週間投与した結果、約55%の患者さ
んで臨床的寛解*に導くことができました。
また、寛解を達成した患者さんのうち約1/4はレミケードを休薬することができ、その内3名の患者さんは全ての薬剤を卒業することができました。
また、レントゲン画像においても関節破壊の進行がストップしている事が確認されたほか、骨びらん*が修復したり、ひざ関節機能が回復し手術を回避できた例もあります。このような著効例はその6割が関節破壊が中等度までの方でした。
つまり、関節が本当に壊れる前になるべく早 く適切な治療を行うことが重要です。早めの受診をお勧めいたします。
MTX*:メトトレキサート
臨床的寛解*:病気の症状がほとんど無くなった状態
骨びらん*:骨の表面が虫食い状に削りとられた状態
リウマチのギモンにお答えします
Q.リウマチの主な症状を教えてください
手足の指や手首などといった関節の腫れにより、リウマチに気付く事がよくあります。リウマチの場合、左右の関節が対象に腫れることが特徴です。このような関節症状のほか、体がだるい、熱っぽい、疲れやすい、全身が痛い、などもリウマチの典型的初期症状と言えます。病気が進行すると、関節の破壊が進み、腫れや痛みを伴い・関節を自由に動かすことができなくなります。
Q.リウマチの平均的な治療期間は?
かってリウマチは、一生治らない病気とされていました。ひどく進行してしまった場合は今の医療でも完全に治すことは難しいでしょう。したがってなるべく早く診断し、治療を開始する必要があります。早期リウマチの場合、上記の「レミケード」等を使うことによって、症状が完全になくなる状態に持ち込むこともできるようになってきました。これを「寛解」と言います。早期リウマチで寛解になれば、1~2年で薬物治療をやめることができる可能性も出てきました。
Q.生物学的製剤について教えてください
ここ数年で登場した注射の薬です。生物学的製剤の登場で、リウマチ治療には革命が起きたといっても過言ではありません。
関節リウマチの患者様の関節では、TNFαという物質が大量に作られています。このTNFαが、腫れや痛みを引き起こしたり、骨を破壊させるなど、悪さをしています。「レミケード」は、TNFαと強力に結合してその働きを抑え、また、TNFαを産生する細胞を破壊するなどの作用を示す薬剤です。TNFαを抑えることによって、強い症状改善効果が得られ、関節破壊の進行を食い止めることが期待できます。レミケード以外にも、「エンブレル」や「ヒュミラ」といった薬も同様の効果が期待できます。TNFαとは別に、IL-6という物質もリウマチに悪さをしていることがわかっており、IL-6の働きを抑える薬「アクテムラ」なども使用しております。
日本人でのデータ(レミケード)では、進行した関節リウマチの患者様の約3割で寛解に達することができたと報告されています。最近では、"目標の数値まできちんとした治療を行い、リウマチを厳格にコントロールしましょう"という流れになっており、当院でも積極的にレミケードなどの生物学的製剤導入に取り組んでいます。
Q.薬の副作用はありますか?
生物学定期製剤は、免疫機能を強く抑えるため、感染症などの副作用が考えられます。
また、点滴中または点滴終了後に発熱、頭痛、発疹などの症状があらわれることがあります。どういった副作用に対しましても、早期に発見することで対処することができます。治療中に、咳や熱が出たり体がだるいなど、少しでも「何かおかしいな」と感じられましたら、ためらわず当院までご連絡ください。
Q.治療の実例を教えてください。
自身でレミケードを投与した患者様のうち、7割ほどが寛解(完全に良くなる状態)に持ち込むことができました。また、寛解になった患者様のうち、約半数の患者様でレミケードを卒業できた方がいらっしゃいましたし、10名はすべての薬をやめることができました。
また、膝の手術を検討しておられた患者様が、レミケードの使用により関節機能が回復し、手術を回避できた方もいらっしゃいます。また、膝の手術を検討しておられた患者様が、レミケードの使用により関節機能が回復し、手術を回避できた方もいらっしゃいます。
(執筆/監修:澤野浩)

